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「〜柚子香る〜醤油らーめん ¥900」@らーめんMAIKAGURAの写真平日 晴天 13:55 先客5名 後客2名

午前中の成城近くでの前食から二時間半が経ち胃袋の空きスペースと相談しながら二駅先の千歳船橋駅に降りた。この時点では連食先を決めておらず二択に絞って考えていた。どちらも再訪になるのだが〝神奈川淡麗系〟を受け継ぐこちらと〝たけちゃんにぼしらーめん〟の流れをくむ店との二択で悩んでいた。本日の二食目という事で淡麗系に惹かれてしまい泣く泣く一方は断念しこちらへと向かった。

駅からは北西へ歩く事10分足らずで店先が見えてきた。時間帯もあってか行列もなくすんなりと入店。券売機でお題を悩むが〜柚子香る〜の文字に魅かれてお題を発券する。連食なので追加トッピングはやめておいた。

カウンターに座り約二か月ぶりの店内を見渡すとお洒落で手入れの行き届いた店内を三人体制で回している。前回はツーオペだった気がするのでご商売は順調のようである。本日の客層はご近所の方だろうか年配層が多く見られる。券売機にも慣れていない世代の方にも親切に説明しているあたりが地元に受け入れられている理由かと。目の前では調理が進み〝奥義 天空落とし〟が炸裂するかと思いきや、ご主人の背の高さと排気ダクトのフードの低さから全力の技は繰り広げられず控えめな〝天空落とし〟ならぬ〝低空落とし〟となっていた。

そんな事を思いながら待っていると我が杯が到着した。光沢のある白磁の反高台丼の中の姿は色彩の深さを主張する美しくも謎深き表情だ。

目の前に丼をおいた瞬間に柚子と醤油ダレの香りがむせ返るほどに立ち昇ったスープをひとくち。まずは文字通りに柚子の香りがひとつの世界へと誘導する。具材として添えられた黄柚子の皮からではない柑橘類の酸味も感じるので柚子皮だけでなく柚子果汁由来の香味だろう。初見では強く感じたカエシも円熟味のある香りが立っているだけで塩分は許容範囲内だ。その豊かな香りの裏にはしっかりとした鷄主体の出汁が効いているので日本酒ならば、香りばかりの大吟醸ではなく旨味やコクもある純米吟醸といったところ。

次に麺上げまで80秒ジャストの麺をいただく。スープの赤褐色に染まりつつある全粒粉入りの中細ストレート麺はやはり神奈川淡麗系の真骨頂〝伸身のサノミノル〟を思わせる伸びやかで滑りが良い自家製麺だ。特有の噛み合わせの悪い歯切れが残念だが舌触りと喉ごしに関しては名演技だ。しかし麺をすするたびに飛び込む柚子の香りに嗅覚が慣れてきて徐々に柚子の香味を失っていった。

具材は一片の薄い脂身だけの厚切りされた低温調理の焼豚だが部位は豚ロースだろうか。目の前の電動スライサーの上には豚肩ロースの焼豚がセットしてあるが薄切りスライス用で明らかに私の物とは違う。スープやラーメンごとに焼豚を変えているのだと思うと手間を惜しまない姿勢に感服する。なので今回は厚切りの豚ロースの低温焼豚を楽しんでみる。スープからすくい上げると控えめでおとなしいロゼ色が顔を見せた。食べなくともしっとりとした食感が伝わってくる。きちんと法令基準を満たした加熱が安心感を与えてくれる。確かに機械任せでこのレア加減は出すことが出来るかも知れないが味付けは機械任せとはいかない。この焼豚の下味のソミュール液は甘みと塩気のバランスに秀でている上に香辛料の使い方が絶妙である。これ以下のハーブの量だと香り付けにもならず物足りなさのある味気ない焼豚になってしまう。しかしこれ以上にハーブを効かせてしまうと欧風感が強くなりすぎて日式のラーメンの中ではバランスを崩してしまう。そのギリギリのラインを攻めている調理の技術に長けた焼豚だ。

基本でも半個入りの味玉は焼豚に比べると存在感が乏しい。デフォ入りなので平均点で十分だが追加するほどではなく思った。その理由は熟成した黄身が好みの私には浸み込みが弱かっただけなのだが。

一方メンマはかなり攻めた味付けだった。極力の味付けを避けて乾燥メンマ本来の持つ発酵臭を残した大胆な作り。その為、味付けに関する時間が少なくメンマは独特の歯ごたえを残している。硬く感じる口当たりだが一箇所の歯切れをキッカケに繊維が解けていく様は知恵の輪が解けた時のように爽快である。

薬味は青ネギと三つ葉だがこのスープの中では彩りを与えるだけで香りも食感も確認できないうちに胃袋に収まっていた。ただそれが脇役としての薬味としては最高の美学なのかも知れないと思った。

連食だったが気がつけば一気に完食していた。麺と味玉の好みが違っていたが満足できる内容だった。中盤からは初動であれだけ感じた柚子の香味にも脳が慣れてしまい感じなくなってしまったのは恥ずかしい限りである。しかし改めて自分の味覚の鈍感さを突きつけられた気がした一杯でした。

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