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「特製ワンタン麺(ハーフ&ミックス)¥1100+味玉 ¥100」@八雲の写真土曜日 晴天 16:55 先待ち4名 後待ち15名

〝末端価格1250円超え〟

私の中では八雲史上 過去最高額の挑戦を試みようと池尻へと向かっていた。

本日は早朝より所用で振り回されて何も口に出来ないままに日暮れを迎えた。それならばこちらで最高の贅沢をしようと夜の部の開店前の先着を狙って目的通りに5分前に着いたが店頭の外待ち席にはすでに行列があった。それでも五番手をキープし本日のお題の品定めをする。

私の注文した過去の最高価格はチャーシュー麺に味玉を追加した1250円が最も高額なのだがそれを超える組み合わせは幾通りも可能で夢が広がる。しかし追加を重ねるとボリュームだけが増え全体のバランスを崩しかねないのでそこは慎重にメニューを選ぶ。肉餡と海老餡が二個ずつ入った特製ワンタン麺(ハーフ)をベースに組み立てを考えてみるが、大好きなこちらの切り落としチャーシューは外せないので追加を即決。それと味玉界のクィーン的な優しい味玉も必須アイテムなので追加を決める。

しかしこれでは総額1200円と前回を上回れず再考を強いられる。やはりここは名前も豪勢な〝チャーシュー特製ワンタン麺〟の単品でも1450円のメニューするしかないと満腹を覚悟して腹をくくった。

定刻になり目黒区の夕方5時のチャイムが流れるのと同時にオープン。先団が券売機で食券を購入している際に目にしてしまったのが、下部に位置する商品の品切れランプが光っていたのだ。それはチャーシューの品切れを意味する本日の目的の大半を削がれる宣告なのだ。もちろん大好き切り落としチャーシューも品切れだ。平日ならともかく休日の人気店の集客力を甘く見ていたようだ。

慌てて脳をフル回転させてチャーシュー抜きでの高額組み合わせを考えるが浮かばずに最初に考えた特製ワンタン麺(ハーフ)に味玉追加という最高記録更新はならずタイ記録にすら届かなかった。

意気消沈した思いとは裏腹に空腹はピークを迎えカウンターに陣取る。清潔感のある店内を見渡すと本日もご主人が舵をとる三人体制でのオペレーションだ。客層はお子様連れの家族もいたり地方の母親を連れてきた若夫婦がいたりと土曜日の夜ならでは光景に心が癒される。

三人体制でもテンポ良く調理が進み 2ndロットの一杯目として目の前に我が杯が到着した。シンプルなロゴ入りの反高台丼の中の姿はいつ来ても気高い美しさで出迎えてくれる。

まずは黒醤油と白醤油のミックスならではの落ち着いた輝きを放つ団十郎茶色のスープをひとくち。本日も動物系と魚介系が最高のバランスを保つスープだが、わずかに節系の香りが前のめりに感じた。この瞬間を待っていたかのように胃袋がグーっと唸りを上げた。丸鷄由来とは思えないコクや脂質を抑えたスープはスッキリと身体の隅々まで染み渡る。私の身体の塩分濃度を元に戻してくれる数少ないスープだ。ハッキリ言って黒だしと白だしとミックスのどれが本命なのか分からなくてなってきた。

今日は麺の様子がいつもと違って感じたのは腹が減りすぎているからだろうか。見た目はいつもと変わりなく口当たりの滑らかさもいつものままだが、噛んだ瞬間の歯茎に伝わる圧力が強く感じた。元々コシのある中細ストレート麺だが、本日は奥歯に対する反発力が三割増しに思えた。しかし固茹でと言うわけではなく、しなやかさも兼ね備えている。麺を噛みしめるたびに咀嚼の喜びが込み上げてくるのは麺から溢れる小麦の旨みだけではなく明らかに歯応えの強さの影響もあるはずだ。口の中で踊り続ける麺が楽しすぎて一気に半分以上を食べてしまったいた。スープの加熱による麺肌の変化も楽しみのひとつなのを忘れて夢中になり過ぎた。

我にかえり麺から離れ具材を楽しむ。大好物のこちらの赤耳焼豚もいつもと様子が違っていた。いつもなら豚ロースの連続した部分が切り分けで添えてあるのだが、本日は脂身の付き方の異なる二枚が揃えて乗っていた。そのうちの一枚はこちらの店で初めてスジの硬さを感じる焼豚だった。大した事ではないがチャーシューの品切れが影響しているのかもと思った。

満腹感を求めて注文した肉餡と海老餡のワンタン二種は私の要望にまっすぐに応えてくれる。必要以上に大きすぎない餡だが食べ応えとしては十分な質量だ。先に手を付けたのは海老ワンタンで、粗めに叩いた海老の香りが詰まった餡とシルクのようなワンタン皮との共演が胃袋に落ちていく感覚は空腹ならずとも体感したいワンタンだ。一方の豚挽肉の餡は相性の良い生姜のチカラを借りて、しっかりと練り込まれた肉質が密度の濃さと相まって食べ応えを与えてくれる。

極太メンマは揺るぎない安定の仕上がり。時折り感じる繊維の硬い部分が難点ではあるが粗探しをしても、その程度しか見当たらないクオリティの高さには脱帽である。

味玉は〝クィーンオブ味玉〟の名を欲しいままにする絶品の仕上がり。しっかりと色付き黄身が完熟した味玉をキングと例えるなら、こちらはまさにクィーン。穏やかな色づきと優しい味付けだが適熟した黄身の口当たりは女王の品格。しかし今回は初めて温度の冷たさが気になった。常温以上に温かい黄身が持ち味なだけにまたしても少し残念。これくらいしかケチを付けられない程に完璧だという裏返しでもある。

薬味は切り口が水々しい青ねぎ。シンプルながら奥深き動物系スープに新たな植物系の香りを与える。それは質の良い青ねぎから放たれる清涼感のある香りでしか表現できない。切り置き時間の短さから鮮度を保ったシャキッとしたキレの良い食感も見事なアクセントだ。

かなりボリュームのあるオールスター軍団のようなスター選手揃いのラーメンを一心不乱に食べ終えた。最後のスープ一滴まで飲み干した満腹感と罪悪感が比例しないのがこちらのラーメンの偉大なる功績だと私は思っている。

今回は好きすぎるが故に粗探しをしてしまい減点対象を増やしてしまった。それほどに私にとっては原点であり基準であり理想であるだけに高みを望んでしまう一杯でした。

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