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「味玉そば ¥900」@八雲の写真平日 晴天 14:35 外待ち3名 中待ち7名 後待ち6名

〝新春うまいものめぐり〟

と題して昨年お世話になった自分が美味いと思った店だけを巡るという贅沢な一週間を過ごそうと決めた。その一軒目に選んだのは昨年に最もお世話になったこちらだ。

昨年末は忙しく新店舗を廻ったので本当に好みのラーメンを食べることが少なく欲求が満たされないまま新年を迎えたので本日は楽しみで仕方ない。正月を過ぎたと言っても休日の雰囲気が漂う中、昼のピークを避けようと思い昼営業の遅い時間を狙って午後2時過ぎに家を出た。自宅からは歩いていける距離なので1月とは思えないポカポカ陽気の中、目黒川沿いを進んだ。

行列は無いと思ったが、そうはいかなかった。店内待ちどころか外待ちまで発生している。ピーク時を外してもすんなり食べれる事は難しいほどの人気店だ。そんな店が徒歩圏内にある事を嬉しく思いながら列に続いた。

外待ちイスで待っているが、いつものような回転の早さを感じないので店内を覗いてみたら小さなお子様連れのご家族が多く見られた。これは時間がかかっても仕方ないと諦めて気長に待つ事にした。

その間に本日のお題を決めようと過去の脳内データを引っ張り出してみたが、どのスープも捨てがたく悩んでしまう。こちらは焼豚も絶品だし二種類のワンタンもクオリティが高いので選択肢から外せない。あれこれと迷ってしまったが初心に戻ってシンプルな支那そばにしようと決めた。しかし新年のお年玉という事で好物の味玉だけは追加する事にした。

15分ほどの外待ちから昇格し店内待ちに。本日の客層はやはり家族連れが多く楽しそうに食事をしていので和やかな雰囲気に店内が包まれている。そんな家族連れが食事を終えて席を立つと一気に流れが変わりあれよあれよという間にカウンターに昇格。

本日も四人体制で安定の布陣。ご主人が黙々と作り上げるラーメンに期待が高まる。着席して5分で我が杯が到着した。口縁の大きな反高台丼の中には本日も端正な顔立ちを見せる。このいつも変わらないというのが安心感を生んでいるのだろう。

まずは透明感のある柿渋色のスープをひとくち。スープからは動物系の出汁が香ってくるが口に入った途端にそれは魚介系出汁に変わる。その魚介系出汁をリードするのは鰹出汁で毎日でも飲みたくなるスープを牽引する。その背後にはシッカリとした豚ゲンコツや丸鶏主体の基盤があるので奥行きと立体感がある。さらにその奥には干し椎茸のような乾物の旨みも顔を出すのでイノシン酸とグアニル酸の相乗効果がハッキリと感じとれる。昆布由来のグルタミン酸を直接的には感じないが、この立体感を作り出すためには欠かせないのはずなで陰ながら支えているのだろう。カエシも醤油の尖った部分を感じさせないフレッシュと言うよりは円熟味を増した醤油ダレだ。

麺上げまで60秒ほどの中細ストレート麺は本日も完璧な仕上がりを見せる。麺を持ち上げた箸先からはコシの強さが伝わってくるが唇に触れた麺は非常に滑らかに口の中へと滑り込んでくる。そのしなやかな麺肌を持っているが、実は芯の通った力強い歯応えも併せ持っている。奥歯のプレスを跳ね返そうとしながらもパッっと噛み切れる感覚は麺を噛む喜びを増幅させる。その喜びによって増える咀嚼の回数が内麦の甘さと香りをより引き出させてくれる。更には適度に溶け出したグルテンが喉ごしの良さを与えてくれるので口当たり、歯応え、喉ごしの三拍子が揃った麺である。この麺を食べるとやはり「餅は餅屋、麺は麺屋」と思ってしまう。

具材の焼豚は焼豚界のシャトーブリアンとも呼べる豚ロースの最良の部分だけを添えてある。広東式の赤耳叉焼ながら香辛料の使い方を日式に寄せて八角などの五香粉を控えて出汁の効いたスープの邪魔をしないようにしてある。豚肉の赤身本来の旨みもさる事ながらフルーツ由来のような蜜ダレの甘さと香ばしさは最近流行りのレアチャーシューとは逆行するが旨みの強さや深みでは勝負にならない美味しさだ。

大好物で追加した味玉だったが、こちらの店で初めて黄身が冷えたものに当たった。黄身の熟成も感じられない普通のゆで卵のような味玉には少しがっかりした。半熟よりも固めな下茹でなのでいつものようなネットリとした黄身の舌触りもなく残念な味玉だった。

極太メンマは二本ともに口溶けが良く麻竹の繊維を残しながらも口の中でほどけていく感覚が楽しい。味付けもスープの旨みを引き立てるように穏やかなで脇役に徹しているのが好印象。

薬味の九条ねぎは通常よりも少なく思ったが鮮度の良さゆえの香りの高さと食感の良さはネギ本来の品質の良さと切り手の技術の高さが伝わってくる。

空腹という調味料も手伝ってかあっという間に平らげていた。スープを飲み干したとしても塩気の強さは全く感じず喉の渇きもない。やはり出汁の旨さで食べさせるラーメンなのだ。

本年中も幾度となくお世話になると思うが洗練されているが派手さは無いがこのラーメンがマイスタンダードなのは今年も変わらないと確信した一杯でした。

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