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「味噌ラーメン ¥850+チンピラ玉子(5ヶ入り)¥150」@味噌麺処 花道の写真平日 晴天 14:00 先客10名 後客7名

〝怒涛の味噌ウィーク〟

午前中の荻窪での味噌ラーメンを満喫した後に再びホテルに戻ってきた。午後3時のチェックアウトまで大浴場の風呂に入り汗を流した後にレビューでもしたためようかと、文豪のような生活を楽しんでいた。

レビューを書き終え、午前中に茹で麺機の故障で臨時休業の貼り紙が貼られていたこちらのtwitterを確認すると、茹で麺機の修理が完了し営業再開とのつぶやきがあった。早速リベンジのチャンスが来たと思ったが、前食からは二時間も経っておらず胃袋に空きスペースがない。味噌ラーメンを食べ続けている今週で感じた事がある。ただでさえ小さな胃袋の私には、味噌ラーメンは重すぎるかと。スープだけが重いのではなく、麺もズッシリとして連食には不向きなラーメンだと感じている。

なので連食は断念しようかと思ったが、お店情報のメニューの中に〝ミニ味噌ラーメン〟の文字を見つけた。もしかしたら〝ミニ〟ならば連食できるかもと、わずかな望みにすがる思いで本日二度目の訪問を決意した。

午前中にフラれたコチラへは同じルートをたどり目指したが、ひとつ前の野方駅北口バス停の方が、大きな交差点も渡らずにすむと思いナビを無視して下車した。思い通りに信号にもかからずに、すんなりと店先に着いた。午前中に来た時とは違ってシャッターも全開で暖簾も揺れている。運良く行列もなく入店したが店内は、ほぼ満席。カウンターにひと席だけ空席があったので無事に入店。

券売機でお目当ての〝ミニ味噌ラーメン〟のボタンを探すが、どこにも無い。隅から隅まで見てみるがやはり見当たらない。現在は販売中止になってしまったのだろうか。本日二度目の再訪なので引き返すわけにもいかず、基本メニューを押して、半ばヤケクソ気味に謎の「チンピラ玉子」のボタンも押してみた。

カウンターに座り店内を見渡すと狭いながらもテーブル席も配置された、客席を詰め込んだ感じの店内を三人体制で回している。壁には歴代の受賞歴のポスターが貼られている。調理場は味噌ラーメン店ならではの〝あおり場〟がある。あおっているのは具材だけでなく、そこから聞こえる鉄製の中華鍋のリズムが食欲もあおる。

本日の客層はテーブル席には近くに建築現場があるのだろうか、作業着姿の若い工事関係者が大盛りに喰らいついている。初めての味噌ラーメン連食の不安の中、若々しさがうらやましく眺めていると着席して8分ほどで我が杯が到着した。別皿で提供されたチンピラ玉子も記念撮影用に2つだけドロップイン。その姿は白磁の多用丼の中で想像していたような荒々しさはなく、こじんまりとまとまっている。小ぶりな丼がそう思わせるのかも知れないが、盛り付けも丁寧に見えた。

まずはスープをひとくち。ラードで覆われているかと思ったが、どちらかと言えば乳化した豚骨スープに近い。たしかにラードの香りはしているが炒め油としての香りだろう。温度も悲鳴を上げるほどではなく味覚判断もしやすい。じっくりと時間をかけて炊かれたスープはマッタリとしているが濃厚という言葉は似合わない。芳醇と言った方が私にはしっくりとくる。滑らかに舌の上を通り過ぎると、味噌の塩気よりも甘みが舌全体を覆った。やはり荻窪で食べた前食の修行先と言うことで、こちらもニンニクや生姜でパンチを求めずスープのコクで勝負している。思ったよりも優しいスープに安堵した。

麺上げまで220秒ほどのストレート太麺は見るだけで迫力がある。麺肌こそ溶け出したグルテンが透明な表層となっているが、密度の高いグルテンが引き締まった麺質が箸先から伝わってくる。一見するとスープと馴染んでいそうな麺肌だが、口に含むと違っていた。初期段階では高い加水率に跳ね返されてスープを持ち上げてこない麺は、麺自体の旨みが楽しめる。つきたての餅のように密な麺を噛みつぶそうとすると、奥歯を弾き返す力と噛み切れる瞬間の食感のバランスが独創的。いざ噛み切れると同時に広がる小麦の香りも素晴らしい。これより先のグルテンの熱変化が楽しみで具材へ進む。

小ぶりながら分厚くカットされたチャーシューは豚バラを用いた煮豚型。赤身の繊維がホロホロと崩れる食感は申し分ないし、私にとってはうれしい少なめの脂身も甘さを生んでいた。特に感じたのは皮目の脂身の旨さだった。パサつきがちな赤身の食感をサポートするように寄り添う脂身の存在は無くてはならない。味付けも穏やかなスープの中でキリッと醤油感を効かせてあり、ぼやけることなくアピールしている。

極太メンマは残念ながら好みからは外れていた。硬めの食感でアクセントを付けてくれるが、麻竹の繊維が噛み切れずに口の中に残ってしまう。キッチリと下味も付けてあるが噛み切ろうとする咀嚼回数には敵わず最後には味気ない繊維だけを噛み続けることになった。

追加した謎のチンピラ玉子は、味付けうずら卵をオリジナルの辛味ダレに漬けたものだった。見た目には辛そうだが、韓国産唐辛子特有の甘さもあるので深みを感じる。スープに沈めて漬けダレが落ちると、うずら卵には辛味はほとんど無いので物寂しさもあるが口直し的な役目も果たしてくれた。私は試みなかったが、かなり多くの辛子漬けダレが入っていたのでスープの味変用に使えるのだろう。しかし通常の味玉にすれば良かったとも思ってしまった。

薬味は一切なしで、具材としての炒めモヤシが薬味代わりのアクセントを付ける。シャキシャキよりは一段下の食感だが、硬すぎないモヤシからは甘みが出ている。スープの底に沈んでいるだろう豚ひき肉やラードのコクをコーティングしたモヤシは香りの上でも変化をつけて、食感でもアクセントをもたらす。あおり加減が絶妙のモヤシは、麺と食べると相対する歯ざわりのコントラストが愉快で箸が進んでいく。

中盤からの麺はスープにも馴染みはじめてピークを迎える。初期段階ではバラバラに思えたスープと麺や具材が混ざり合って渾然一体となって口の中で躍動する。味噌ラーメンの醍醐味は、ごちゃ混ぜ感なのかもと思った。

さすがにモッチリ太麺の連食は老いた胃袋には酷だったようで食べきる事は出来なかったが、味の面では満足で終えた。メンマが残念だった事や、追加のミスチョイスが悔やまれる。

食べ終えると外待ちも増えていたので急いで席を空けようと立ち上がった時に、椅子の背もたれに掛けていたコートを床に落としてしまった。慌てて拾ったが、床に浸み込んだ油がコートに付いてしまった。自己責任なので仕方ないが、今回の味噌ウィークでは床が油っぽい店が多いのは何故だろうか。これも〝あおり〟の副産物なのかと思った一杯でした。

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