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「都電ラーメン ¥1000」@都電テーブル 雑司が谷店の写真日曜日 晴天 14:00先客2名 後客2名

〝さすらいの未訪問店めぐり〟

午前中に食べた王子での一食目のあと、駅の近くの公園で散りゆく桜を眺めながら二食目の候補を探しているとコチラが浮かび上がった。

RDBを参考にお店情報を見ると、店名やメニュー構成からも謎は深まるばかりだ。非常に興味が湧いたので現在地からの移動ルートを検索してみると、都電荒川線で乗換なしで移動できる事を知り初訪問を決めた。

間髪入れずの連食は厳しい年頃なので、王子駅界隈を散策して消化を促す作戦に出た。年配者が多い駅前だが、活気にあふれた力強さも感じる。複雑な高低差のある地形を利用した駅周辺は見所が満載だ。そんな高低差を代表するのが飛鳥山ロープウェイだ。本日は乗らなかったが数年前の花見で乗車した時に初めて知ったのは、ロープウェイではなくエレベーターだと言う驚きの真実だった。3分間も乗っていなかったと思うが、その事だけが記憶に残っている。

駅周辺を1時間ほど散歩していると何となく胃袋にスペースが空いてきたので、未だに新名称に馴染めない東京さくらトラムに乗り込んで最寄りの鬼子母神前駅に向かう事にした。利用客が多く満員状態の車内で20分ほど揺られると最寄り駅に着いた。そこからは住宅地を縫うように歩いて行くと地元の商店街へと抜けた。すると程なく見覚えのある個性的な店構えのコチラを見つけた。

防寒用のレールカーテンで仕切られた独特の入口を開けて店内に入る。券売機はなくカウンターに座り卓上メニューから品定めをする。夜の居酒屋タイムの料理は充実しているが、昼のラーメンのメニューは至ってシンプルだ。素ラーメンか特製扱いの二択で構成されている。連食なので素ラーメンも考えたが、特製らしいお題を口頭で告げて店内を物色する。

コの字カウンターの奥には独立した厨房が設けてある。簡素化された店内だが落ち着いた雰囲気も漂う素朴さも魅力のひとつだ。どこかで見た事のある外観だと思ったのは、フジテレビ系の昼の散歩番組で取り上げられて時に観たのだろう。店内に貼られたアナウンサーのサイン色紙を見て思い出した。本日の客層は若い方が多いが地元の方のようで、ご主人と挨拶を交わしている。そんな店内をワンオペで切り盛りされている。ちょうどのタイミングでオーダーが重なったのだろうか、12分ほどして我が杯が到着した。

その姿は白磁のシャープな切立丼の中で麺だけが盛られて、具材たちは別皿にて提供された。ありのままの姿を写真に納めても良かったのだが、遊びゴコロに騒ぎだして自己流に盛り付けをして記念撮影した。※ 今回の写真はオリジナルではなく貴店とは関係ありません。

しかしながら、まずまずの盛り付けの出来映えに自己満足のまま実食を始める。まずはスープをひとくち。カウンターに常備された朱赤色のレンゲでスープをすくい上げると、煮干し主体の魚介出汁の香りが穏やかに香ってくる。いざ口に含むと、見た目の透明感を裏切らない優しく澄み切った煮干しの旨みと香りが花を開く。苦味やエグ味を感じさせないのは、中羽クラス以下のイリコの頭や腹わたを丁寧に取り除いた仕事量を物語っているようだ。そんな仕事ぶりからしか生まれるはずのない品のある旨みのスープに一瞬で引き込まれた。カエシも煮干し出汁の風味を殺さないように控えめに設定してあるので中年にも馴染みのやすいスープになっていて、まるで点滴のように身体の中に染み込んでいった。

麺上げまでジャスト90秒の中細ストレート麺には少しだけウェーブがかかっている。箸で持ち上げてみるとハリのある透明感が魅力的な麺肌だが、残念なことに麺が癒着して束になってしまっている部分があった。麺茹で機を設けてないので中型の両手鍋とテボで代用していたが、麺を投入した後に麺をかき混ぜるような作業を一切せずに具材の切り分けなどを行なっていたのが原因ではないだろうか。束になってしまった麺の舌触りは決して心地良いものではなかった。癒着してない麺は口当たりも良く適度なコシもあり良かっただけに残念が際立つ。

具材鶏ムネ肉の低温調理は小ぶりなチャーシューが4枚。下味も無難と言えばそうだが、特筆すべき点がない寂しさもある。

味玉も即効性で漬けられた色みこそ薄っすらと味玉らしく見えるが、味の浸み込みは皆無の半熟ゆでたまご。好みとは違っていたが派手さのないラーメンの中ではバランスを保っていた。

薬味の白ネギはザクザク感を感じるように粗めに小口切りされている。そんな粗々しい切り口からあふれる野趣な白ネギの香りが、白ネギを食べなくても麺をすするたびに香りのアクセントとなって寄り添ってくる。スープに沈めて熱変化させた白ネギの甘みと食感も素晴らしく追加しても良いくらいの薬味だった。またご愛嬌だが、蛇腹になった切り口もところどころにあったのは入口のアコーディオンカーテンとおそろいにしたものだろうかと笑ってしまった。

青みの小松菜もシャキッとした歯応えを残した茹で加減で薬味として好演している。

今回は連食だったがいわゆる〝秒〟での完食完飲となった。もしかしたら素ラーメンの方が評価が良くなったのではないかと思えた。それはやはりスープの圧倒的な旨さに比べて、具材の良し悪しが影響していると感じた。麺の癒着もワンロット3杯だった今回だけの不安かもしれないので残念で仕方ない。

素ラーメンでネギだけ入って七百円と賛否はあるだろうが、スープの素材の仕込みの丁寧さを思えば決して高くないと思える魂のこもったラーメンに出会えた。なので次回は麺が癒着しないように気をつけて欲しいと心から願う一杯でした。

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