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「味玉潮そば ¥850」@鶏そば 志いなの写真平日 晴天 11:00 先客なし 後客6名

本日は本命として向かった新店が仕込みのトラブル発生のためオープン時間が未定との報告を開店前に並んでる最中に受けて、急遽の予定変更を余儀なくされた。ここで店探しに苦戦するのが通常だが、ここはラーメン激戦区の新宿御苑となれば候補店はいくらでもある。

そこで先ほど店の前を通り過ぎたコチラへの再訪へとシフトした。前回の初訪問からは一ヶ月ほどしか経っていないと思うがスープの旨さと味玉の仕事ぶりに感銘を受けて、いつかの再訪を望んでいたのだ。そんな経緯もあって店探しに困ることなく歩いて向かった。

店先に着いた頃にはちょうど11時オープンの時を迎えて、すんなりと一番手で入店。券売機の前で前回とは違う塩系を選択し味玉入りのぼたんを押した。本日もカウンターに座り洒落た店内を見回す。開店と同時に続々と来客があり奥のテーブル席はすぐに埋まってしまった。客層も様々で親子連れから私クラスの中年層までが優しいラーメンを求めて集まっている。そんな店内を本日も二人体制で回している。往年のドラゴンズの〝アライバコンビ〟のような安定した連携プレーを眺めていると、着席して6分で我が杯が到着した。

その姿は口縁に青のラインが施されたデザイナーズ切立丼の中でシンプルで気高き表情を見せつけている。晴れ渡る空のように澄み切った景色に心が洗われるようだ。

まずは鶏油のきらめく亜麻色のスープをひとくち。レンゲを持つ指先には何一つ抵抗がなくスープの中に沈んでいく。レンゲを受けて波打った液面からは、前回の醤油系よりも強く鶏出汁の香りが立ち昇ってきた。いざ口に含むと香りをより凝縮したような鶏出汁の旨みが広がる。その香りと旨みがが鼻の奥へと消えて行くと同時に魚介出汁の香りが現れた。鰹節や昆布などの香りの中でも特に強く感じたのがアサリ由来の貝類の香りだった。塩系スープに貝類のコハク酸を加える事は、もはや当たり前のようになっている。しかし貝の旨みをプラスする以上に貝類独自の塩分も重なっている店が多いと感じる。だがこのスープにはアサリの香りと旨みで厚みは重なっているが塩気は非常に穏やかだ。その塩分も計算してカエシの塩ダレを設計してあるのか、とてもまろやかな甘みさえも感じる塩スープとなっている。

口の中がシーワールド化したところで麺をいただいてみる。醤油系と同じストレート細麺を採用されていて、麺上げまでのタイミングはわずか20秒と超音速仕上げ。ガシガシの麺質を想像しながら箸で持ち上げてみると、意外にも硬さは伝わってこない。それは麺上げしてスープの張られた丼に入れられてから盛り付けが完成するまでの40秒の時間も考えられているからだろう。ラーメンが目の前に到着するタイミングに合わせた茹で時間だと想像した。よってベストの麺ディションで提供されているのだ。そんな計算しつくされた細麺を口に運ぶと、すするたびに香味油の香りと相まって小麦の香りが躍動する。見た目の繊細さとは違った力強いグルテンの歯切れも持ち合わせているので、物足りなさや食べ飽きなどを感じさせない良麺だ。しかし個人的には、もっとコシのある麺でスープの相性も楽しんでみたいと思ってしまうのが本音だ。

具材のチャーシューは定番であろう鶏モモ肉のロースト型が肉厚で入っている。きちんと皮目を炙り香ばしさも出してあり、しっかり目の味付けの醤油感も素晴らしいのだが、二回目という事なのだろうか前回のような感動は得られなかった。それは肉質のパサつきを感じてしまった点が大きく影響している。〝しっとり〟と〝しっかり〟が共存していた前回とは違う肉質が残念だった。

追加の味玉も同じく印象が違った。きちんと温め直しの湯煎時間をタイマーで管理されていたと思っていたが、今回はそのような細やかな仕事が私のロットでは行われていなかった。後客のロットのでは2分45秒にセットされたタイマーで計測されていたのを確認した。その結果として黄身には冷蔵保存の冷たさが残っており、せっかくの熟成された旨みの半分も良さを発揮できていなかった。いわゆる下ブレってやつだが楽しみにしていた味玉だっただけに残念だ。

穂先メンマの味付けは最低限に抑えてあり、際立つ発酵臭が素晴らしい。麻竹特有の香りが噛むたびにアクセントなって味覚をリセットしてくれる。また食感のグラデーションも根元から穂先へと心地よい変化をもたらす。

薬味の青ネギは九条葱らしい繊細な歯ざわりと爽やかな香りが十分に出ている。やはりこの感覚は九条葱でしか表現できない特別の証しだ。青みの水菜は塩系ラーメンには欠かせない薬味の代名詞となっているが、私は今ひとつ必要性を見出せない。青菜としての香りも少ない割には食感だけは個性を主張するので、分かり合えずに今日に至っている。こちらも必須となりつつある刻み黄柚子も添えてあった。白い薄皮を丁寧に取り除かれた柚子皮からは苦味もなく柑橘系にしか出せない爽やかさを与えてくれる。その仕事ぶりからは柚子胡椒には真似の出来ないフレッシュで上質な香りを演出している。

中盤からも過剰な旨みや塩分過多に襲われる事なく食べ進めてきたが、具材が好みと外れてしまったので箸のスピードは減速してしまった。再訪の期待値が高かっただけに寂しく感じた部分はあったが、穏やかなラーメンには癒された。

前回の初訪問の時も急遽予定を変更して来た事を思い出した。今回もトラブルに見舞われた時に救ってもらった頼りになる店なので改めて出直したいと三たびの訪問を心に誓った一杯でした。

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