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「味玉江戸醤油ら〜麺 ¥850」@麺屋 江武里の写真平日 晴天 10:50 待ちなし 後客2名

〝ニューオープン狙いうち〟season2

三泊四日の中四国遠征も無事に終えて東京に戻ってくるとRDBの新店情報がにぎやかになっていた。そんな中で、最近サボりがちだった横浜方面での検索をかけてみると数店舗のニューオープンがヒットした。

その候補店の中に見覚えのある店名のコチラがあり詳細を調べてみると、その理由が判明した。それは都内から移転されたとの事で、屋号を目にした事があったのだ。しかし移転前の浅草時代には訪問しておらず、正真正銘の初訪問を決めたのだ。

そこで昨夜から横浜に前泊してから向かおうと何気ない気持ちで夜更けの横浜 関内に来てしまったのだが、神奈川遠征の定宿にしているサウナ付きホテルのネット予約が満室だったのだ。すでにホテルの目の前まで来ているのにまさかの満室とは信じられず、ダメを承知でフロントに掛け合ってみた。すると本日は横浜スタジアムでベイスターズ戦が開催されたとの事で、お膝元の関内のホテルはどこも満室となっていたのだ。

仕方なく諦めて他のホテルを当たってみようと思っていたら、フロントの方に「入口近くの人の出入りが多い部屋なら空いてるんですが」との急展開を見せる。もちろん寝床さえ確保できれば多少のうるささなどは問題ないので、ありがたくチェックインさせてもらった。

命拾いをした後にサウナで1時間ほど汗を流すと、お楽しみの生ビールタイムだ。このホテルの最大のメリットは駅近くという立地条件だけでなく、共有ラウンジで一杯400円で生ビールが飲める事なのだ。決してグラスが小さいわけではなく標準サイズの中ジョッキだ。しかもコーンスターチの副原料を使用してないプレミアムモルツなのだからIT(意識高い)系おじさんにはありがたい銘柄だ。さっそく駆けつけで5杯飲んでからベッドに身を沈めた。

翌朝9時の目覚ましと共に快調に起きると再びサウナで汗を流して10時前にチェックアウトした。こちらの11時開店前の現着を目指してブルーラインと小田急江ノ島線を乗り継いで40分ほどで最寄りの高座渋谷駅に着いた。前泊のおかげで自宅からより30分は時短できた。

駅からは西口を出て商店街を数分も歩くと、幟旗がたなびく店先を見つけた。定刻の10分前の現着だったので、並びもなく準備中の立て看板が掛かっている。先頭にて待機を始めるとすぐに店主さんが気付いてくれたのか10分も早くオープンとなった。

うれしくも恥ずかしながらの申し訳ない気持ちで店内に入り券売機の前へと進んだ。ご主人のワンオペ体制という事もあり、メニューの種類は現在のところ絞り込んであるようだ。迷う事なく基本の醤油系に味玉入りを発券してカウンターに陣取り店内を物色する。

木目を基調としたシックな客席とは対照的な、無機質な厨房とのコントラストが印象的だ。その厨房内で最も目を引くのが、壁の中央に設置されている巨大なガスの計量メーターだ。その形状は「機動戦士ガンダム」の背面にある推進装置のバックパックのようである。さらに横のスープ炊き用の大型ガス台の上には「ドム」のようなフォルムの蛇口付き大型寸胴鍋が鎮座している。そんなステンレスや鋳物に囲まれた厨房だからこそ無機質に見えるのだろう。そんな厨房内にはラーメン店には珍しいガス式のスチコンも配備されている。電気式スチコンは良く見かけるようになったが、高火力のガス式はホテルやレストランの厨房以外で見ることは少ないと思う。さらには大きさの様々な無数の寸胴鍋も控えているので、今後の人手不足が解消されれば多様なスープを作り出してくれる気配が漂っている。

そんな先への期待をしながら待つこと5分で我が杯が到着した。その姿は粉引の多用丼の中でシンプルながらも個性を主張しているように見えた。薬味の切り方などからそう感じた印象なのだろうと思う。目の前に現れた瞬間に慣れ親しんだ香りが鼻をくすぐると、ある程度の味を想像しながらレンゲを手にとった。

まずは醤油の色素が強く出た栗皮茶色のスープをひとくち。初見で感じた香りは日本蕎麦のような醤油と鰹節の織りなす香りだった。そのイメージのままにスープを口に含むと想像通りの香味が口に広がった。そこには動物系の旨みやコクはなく、まさに蕎麦つゆのような魚介出汁である。ただ、蕎麦つゆと違うのは鰹節や昆布の基本的な和風出汁の組み合わせの他にも複雑な魚介の旨みを重ねてある点だ。そこには江戸前を意識した地ハマグリやアサリのエキスも合わせてある。魚介清湯スープではあるが、微かな濁りを見せるのは貝類特有のコハク酸がスープに霞みを与えているからだろう。そんな魚介出汁に合わせてあるカエシも、キリッとしたエッジを感じさせる江戸風の香味だ。蕎麦御三家で例えるならば藪そばのカエシを思わせる力強さがある。それは塩分過多にもなりがちだが、高めギリギリで踏みとどまっている。

麺は中太ストレート麺を採用されている。スープを小鍋で沸かし直す際に麺上げとのタイミングが合わなかったのか、幾度も茹で釜からテボを取り出してはスープが温まるのを見計らっていた。よって正確な麺の茹で時間は判らないが、トータルで110秒程だったろうか。イレギュラーな麺上げだったので麺ディションが心配に思いながら箸で持ち上げてみる。箸先から伝わってくるのはモッチリとした重量感のある麺質だ。見た目の麺肌にはトラブルは感じないので一安心して口に運ぶと、弾けるようなハリのある口当たりが唇を通過する。滑り込んできた中太麺はゴムまりのような弾力で口の中を跳ねまわる。そんな麺を抑え込むように奥歯で噛みつぶそうとすると、内に秘めたグルテンが一気に放出される。それは加水率の高い麺質とスープの相性は抜群とは言えないので、麺単体の小麦の甘みだけが口に広かった。その甘みの残る口の中にスープを後から送り込むといった食べ方で麺の甘みとスープの塩気のバランスが保たれる。相性の良さよりも、和風魚介出汁と中太麺の組み合わせの妙に楽しみを見出せた。心配されたイレギュラーな麺上げによる麺ディションも問題なく安心した。

具材のチャーシューは豚バラのロースト型が二枚で、盛り付け直前にバーナーで炙って香ばしさが加えられている。目の前のガス式スチコンで仕込まれたチャーシューは豚バラ自体の赤身と脂身のバランスが良く、漬けダレもしっかりと利いている。また赤身のしっかりとした肉質と、脂身のとろけるような食感の対比が面白く食べ飽きせずに麺をサポートする。

追加した味玉は下茹で加減の硬さが気になった。半熟よりも硬化した黄身には、好みのネットリとした食感はなくパサつきすら感じる。味の浸透も浅めの設定なのか薄味で私には物足りない。提供温度も茹で麺機の上で温め直されてはいたが、温まってはおらず冷蔵庫の冷たさが残っていた。

メンマは基本的な板メンマで、味付けも目立ちすぎる事なく脇役に徹している。柔らかい中にも適度な歯応えがアクセントとなっていた。

薬味の白ネギは個性を主張する粗々しい切り方で添えてある。千寿葱を使用とウンチクにはあったが、独特の甘みや軽やかな食感を引き出す切り口ではないのでネギの辛味ばかりが表立っている。ザクッと噛めば刺激の強い辛味がにじみ出るので、千寿葱の良さを感じることが出来なかった。

黒々とした海苔は質の高さが見てとれる。香りや口溶けよりも密度の詰まった舌触りが特徴的だ。その力強い噛みごたえを楽しむタイプの海苔を目利きされていた。

中盤からも麺とスープの絡みは向上する事はなかったが、スープの温度低下による貝類由来の塩気を強く感じるようになってきたのでスープと麺の相性の悪さが私には有り難かった。麺の力強い食感のおかげでダレる事なく完食はできたが、スープの塩気に疲れ始めたきたのでレンゲを置いた。

今回は絞り込んだ少ないメニューだったので人手不足によるミスもなく、ご主人渾身のラーメンが食べられた事に感謝したい。しかし厨房内の調理道具の豊富さを見ると、ご主人の経験から得られたレシピと比例していると感じた。一日も早くオペレーションが落ち着いてご主人の技術力の本領発揮を見てみたいと望んだ一杯でした。

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