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「煮干蕎麦 ¥800+うずら味玉 ¥100」@横濱丿貫の写真平日 晴天 13:20 先待ち12名 後待ち15名

〝ニューオープン狙いうち〟season2

本日は久しぶりに横浜方面での新店めぐりをしている。午前中に高座渋谷で一食目を終えると、あらかじめ予定しておいたコチラへの初訪問へと向かった。

よく考えてみたら昨晩は関内のホテルに泊まっていたので、再び横浜へと戻って来るという無駄な移動をした気にはなったが横浜駅に着いた。まずは胃袋に連食スペースを空けるために駅の近くでカフェでも探そうと見慣れない商業施設に入った。ライブステージもある今時な飲食店の並ぶ施設の出口付近に只ならぬ行列を見つけると、偶然にも目指していた新しいラーメン店だった。ちょうど昼すぎだったので、ざっと数えても30名以上は並んでいた。

そのまま最後尾に続く事も考えたが、行列の後半部分は初夏の炎天下で日差しを遮るものが何もない。日傘でもなければ熱中症にでもなってしまいそうなので、ひとまずは近くのカフェにて行列と満腹が落ち着くのを待つ事にした。

一時間ほど経過すると胃袋にも空きが出来たので再び店先に戻った。先ほどよりも並びも少なく、最後尾でも施設内の通路なので日陰で待てる。並びの最中に予習をすると、現時点では店名は無く通称で「煮干蕎麦」と名付けられているらしい。店頭の看板にも「煮干」とだけ書かれているのは、そのせいだろうか。

最後尾につけて30分ほどで入店となった。券売機はなくカウンターに座り卓上メニューから品定めをする。シンプルなメニュー構成の中から基本のお題にうずら味玉を追加した。スタッフさんに告げると店内観察を開始する。

酒好きの私の目に飛び込んできたのは調理場内のリーチイン冷蔵庫の中に並べられた日本酒の顔ぶれだ。さすがは神奈川を愛する〝ノ貫グループ〟という事で、神奈川を代表する若手杜氏が醸し出す「昇龍蓬莱」オンリーのラインナップが勢ぞろいしている。この圧巻の景色に夜の晩酌を思い描いてみる。

そんな酒好きオヤジの心をくすぐる店内を、とても薄暗い照明が独特の雰囲気を醸している。古い建具などを再利用した内装が高級感と落ち着きを与えてくれるが、今回に限っては騒がしい客人たちの中に挟まれてしまったようだ。導線の構造上の為に真ん中で二つに分けられたカウンター席だが、同カウンターに座っている先客たちがアルバイトスタッフの大学生と友達のようで、バイト中にもかかわらず喋り続けている。何も私語をするなとは言わないが、せめて仕事を全うしてから談笑して欲しいものだ。私がセルフで水を汲みたくてもウォーターピッチャーは遠くにしかなく手が届かない。等間隔で置かれているはずのピッチャーが友人たちの前に集中していても気が付かずに話している。仕方なしに席を立って水を入れると、ようやく目の前の定位置にピッチャーが戻ってきた。それに気が付いてくれたのは大学生のアルバイトとは別のスタッフだった。さらには別のカウンター席には、今回も調理中のご主人に自分の食べているジビエ蕎麦に関する質問を繰り返す男性客に遭遇してしまった。さすがにご主人さんは分かっており適度に答えるだけで調理自体には影響はないだろうが、他人に提供する商品の上で質問に答えさせる客の無神経さを疑ってしまった。

そんな不遇なタイミングでの入店だったが、提供されるラーメンには罪はないので心を鎮めてその時を待った。すると着席して8分で我が杯が到着した。その姿は白磁の切立丼の中で、仮の店名どおりの景色を見せてくれる。昨年よりも自身のニボ耐性が上がってきた事を確認する為にレンゲを手にした。

まずはスープをひとくち。目の前に置かれた時の液面の揺れからは濃度の強さを感じなかった。射し込んだレンゲに係る抵抗も軽やかでイメージよりも淡麗な装いだ。いざ口に含むと最低限の煮干しの苦味やエグ味を表現している文化部系の煮干しスープだ。本物のニボシストからすれば物足りなさもあるのではないかと思ってしまう程にサッパリとしている。しかしそんなスッピン美人に厚化粧とでも言うべきの旨味の底上げが加えてあり残念。カエシも旨味に負けないように調節してあるので、かなり高めの塩分設定に思える。見た目は穏やかな優等生タイプに思えたが、内面には強い主張を持ったスープだった。

スープを諦めて麺に取りかかる。麺上げまで30秒の早茹でタイプのストレート細麺は、丁寧に揃えられた麺のラインが美しい。そんな見事な麺線を崩すように箸で持ち上げてみると、軽やかな質量ながらも強いハリとコシが箸先から伝わってくる。そんな細麺を一気にすすり上げると、想像通りの硬めの口当たりと一緒に飛び込んできた不快な臭いがあった。それは〝カンスイ臭〟で固茹での細麺にありがちなアンモニア臭だった。普通に食べれば感じない程度だが、すする事で増長してしまったようだ。ここで麺をすするのをやめて、大人しく口に運ぶ食べ方に変更した。麺自体には小麦の甘さが際立った低加水ならではのポソポソとした食感が特徴で、煮干し系スープにはおなじみのコンビだ。意外性には欠けるが名コンビの安定感はさすがだと感じる組み合わせで申し分ない。

具材のチャーシューは豚肩ロースの低温調理が折りたたまれて二枚入っている。電動スライサーで薄くスライスされているが、下味のソミュール液のスパイスがしっかりと利いているので旨みが十分にある。もちろん肉質の良さもさる事ながら、出来るだけ切り立てに拘った仕事ぶりにも頭が下がる。その真面目な仕事がチャーシューの切り口の鮮度に表れている。

追加した、うずら味玉は薄味ではあるが弾けるような食感が楽しめる。また塩気と旨味の強いスープを和らげる役割を果たしてくれた。酒蔵の杜氏さんが利き酒の時に味覚をリセットする為にゆで卵を食べるのが納得できた。

薬味は定番の玉ねぎアッシェだが、この薬味も鮮度が良くみずみずしい甘みがあった。これは玉ねぎの品質だけではなく手切りならではの仕事の表れでもあり、フードプロセッサーによる機械切りの玉ねぎとは別物の薬味である。手切りならではの不揃いな大きさも食感の違いを生んでアクセントとなっていた。

最終的にはスープは残したが麺は平らげていた。一番最後に入店した私が先客の誰よりも早く退店する事になったのは、いずれの客人も「和え玉」を追加注文しているので滞在時間が長くなっているようだ。その間はご主人も作業がなくなり時間が空いているので、この時間帯に聞きたい事があれば取材すれば良いと思うのだが話しかけておらず不思議に思った一杯でした。

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