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「ラーメン 並 ¥600 +半熟味玉 ¥100」@中華そば つけ麺 音七の写真平日 小雨 10:55 待ちなし 後客7名

〝ニューオープン パトロール〟

久しぶりの八王子界隈での新店情報を元に昨夜から連食計画を実行している。もはや中央線遠征時の西の拠点として大活躍してくれている荻窪の宿に前泊して乗り込んできた。

昨晩はチェックインが深夜を回っていたので、大浴場でひとっ風呂浴びると大人しくベッドに入った。翌朝は少し早く目が覚めたので長めに朝風呂を楽しもうと思ったのだが、今朝の大浴場は塩素系の刺激臭が漂っていて目が痛いと感じるほどだった。仕方なく早々に風呂を上がり館内でコーヒーを飲みながら新店の予習を兼ねてRDBを開いてみる。

お店情報では武蔵境に半年ほど前にオープンしたばかり店ののグループ店となっているが、半年で二軒目とは勢いの良さを感じずにはいられない。武蔵境の方は存在は知っていたが未だに行けずの課題店なのだが先に2号店に伺う事になるとは、たった今気づいたのだ。しかし当初の計画は変えられずに初訪問を決めたのだ。

11時開店前の現着を目指すとしても前泊した荻窪からだと30分ほどで着く計算だが、本日は中央線の遅延情報が入ってきたので早めにホテルをチェックアウトして向かう事にした。10時前にホテルを出て荻窪駅に向かうと10分ほどの遅れが上下線ともに出ていた。とりあえず先へと進もうと最初に来た各停の高尾行きに乗り込んだ。途中駅で特急の待ち合わせなどのアナウンスもあったが、快速などの仕組みが今ひとつ分かっていないので多少の時間がかかったとしても各停で確実に先へと進んだ。

荻窪駅を出てから予定よりも時間はかかったが50分程で最寄りの八王子駅まで来た。この時点で定刻の10分前だったので慌ててナビを片手に店を目指した。大きなマンションに阻まれて最短ルートが分からずに迂回を強いられたが、何とか定刻5分前にたどり着けた。運良く並びも出来てなかったので先頭にて待機をはじめる。

ここがビッグターミナル八王子駅のそばとは思えないような味わいのある裏通りの中に、より一層に味わい深い佇まいの店構えを見てるだけで気持ちが落ち着くようだ。敷地面積を最大限に活かしたい極薄のかまぼこ板のような建物の中には、窓ガラス越しに小綺麗なカウンター席が見られる。店先に貼られたメニューを見ながら待っていると2分早くオープンしてもらった。

真っ白な暖簾をくぐり店内に入ると目の前に小型の券売機が置かれてあり、迷う事なくマイスタンダードのラーメンのボタンを押して好物の味玉のボタンを探してみる。一度最下部まで目線を落としたが味玉ボタンが見つけられず、もう一度よく見直してみると他のトッピングと共通になっているボタンを見つけた。その横には味玉半分50円のボタンもあったが、ここは100円で一個の方を選んだ。

自由着席でカウンターに腰を下ろして店内を見回してみる。やはり客席のカウンターは狭小で、背後のスペースは配膳するのに人が通れる最低限の間隔しかない。目の前の壁紙には石積みのクロスが貼られて、不思議な重厚感も醸し出している。新店舗の改装に伴って設えられたカウンターには清潔感があり居心地よく待つ事ができる。そんな店内を本日は二人で切り盛りされている。

店内左手奥には独立した厨房スペースがあり店主さんが腕をふるっている。一番奥には業務用の茹で麺機が設置されているが、なぜかガス台の上には三台の両手鍋で常にお湯が沸かされている。初めはスープを炊いているのかと思っていたが調理が始まると、その理由がすぐに理解できた。屋号にもあるようにメニューの二大看板であるラーメンとつけ麺に使われる麺の太さが随分と違うようで、卓上の説明書きにも茹で時間の違いが記されてあった。ラーメンの細麺は2分、つけ麺の極太麺はなんと14分となっている。東海道新幹線ならば、品川から新横浜を過ぎたくらいまでの茹で時間が書かれていた。それならば客席が少ないといっても麺上げのタイムロスを防ぐ為には必要な鍋なのだった。

厨房の全貌は見えないまでも、そんな創意工夫された調理工程を想像しながら待っていると着席して6分の第1ロットにて我が杯が到着した。その姿は初めてお目にかかるタマネギをモチーフにしたデザインの切立丼で登場した。輪切りや、くし切りにカットされたタマネギが描かれた器は、八王子ラーメンにお似合いのコンビで面白くも新鮮に映った。絵柄の中にみじん切りがあれば更にマッチしたのにと、余計な事を思いながらレンゲを手にした。

まずは唐茶色のスープをひとくち。液面には非常にドットのきめ細やかな香味油が浮かんでいて、店内の光を跳ね返している。油膜は多く見られるが粒子の細かさからオイリーな印象はないままにレンゲをスープに沈めてみる。表層が波打ったと同時に薬味のタマネギの香りが湯気に交じって先行して鼻先に届くと、自分が八王子にいる事を再認識させられる。視覚 嗅覚 味覚の全ての受け入れ態勢が整ったところでスープを口に含んでみると、ゆっくりとした助走のような始まり方が印象に残る。動物系のスープや魚介出汁の旨みが穏やかに感じられるが、何一つとして強要してくるような旨みではない。カエシの塩分もかなり抑えてあるので、物足りなさを感じる人もいるのではと思ってしまうくらいのスロースタートだ。過度な初動のインパクトを求めない私ですら味を探ってしまうような優しい味わいと思ったのも束の間、次なる旨味が潜んでいたのだ。ある程度は覚悟してきたのと、過剰な使用量ではなかったのが幸いだった。

続いて麺を持ち上げてみると、全粒粉のフスマを配合された色づきの良いストレート細麺が現れた。箸先に見えるのは切刃のエッジが微かに残った角のある麺肌と、あまりハリやコシの強さを感じない柔らかそうな麺質だ。この麺の形状で麺上げまで120秒なら茹で過ぎではと思ってしまうような箸を持つ指先の感覚だった。やや不安になりながら麺をすすり上げると、麺肌のグルテンが滑らかさを与えて勢いよく滑り込んでくる。懸念された柔らかさは、ひとくち目でもピークを少し過ぎているのではと思うような柔らかさだが、これが店主さんの狙った茹で加減なのだろう。個人的な好みとは違っているがスープの相性を考えると、柔らかに溶け出したグルテンがスープを良く吸っているので一体感は確かに素晴らしい。あまり見かけない製麺所の麺箱が積まれていたので、地元八王子ならではの麺質なのかもしれないと思った。

具材のチャーシューは豚肩ロースの煮豚型が大判のままで一枚盛り付けてある。赤身中心の部位なので柔らかく仕込まれているが、肉質の繊維を感じられる歯応えも残してあり食べ応えは十分ある。味付けも派手さはないが堅実に、スープや麺に寄り添った醤油の風味と豚肉本来の旨みでサポートしている。

追加した味玉は別皿で提供されたが記念撮影用にオリジナルで盛り付けてみたので、これはあくまで撮影上の演出です。最初から半カットされているので食べた時の驚きは半減するが、半カットならではの利点も感じられた。それは冷たいままで出てきた味玉だったが、ラーメンの中に盛り付けるとスープの熱を借りてすぐに温め直されいた点だ。ひと通り麺や具材を味わっているうちに味玉を食べる頃には適温まで温まっていたので、ノーカットの味玉ではこうはいかなかっただろうと半カットに感謝した。それほどに味付けもゲル化した黄身の熟成感が味わえて、追加して良かったと思える味玉だった。

メンマは不揃いな大きさが食感の違いを生んでいたのと、手作り感のあふれる味付けがうれしい。味付けの好みは多様にあるとしても、この手仕事感は業務用では味わえない最高の調味料だと思えた。

大変小さくはあるが良質の海苔も添えてあり、口溶けは良いが、スープに浮かんでも溶け出すような粗悪海苔とは違って素晴らしい。

薬味は〝ならでは〟のタマネギのみじん切りが分量も程よく添えてある。生タマネギ特有の辛味や刺激を残しつつも、鮮度の良い細やかな切り口が舌触りを穏やかに抑えている。またタマネギファンのために穴あきレンゲが用意してあり、丼底に沈んだ一片のタマネギまで見逃さないように配慮してある点もありがたい。スープを飲む事を諦めた私にも大変重宝した穴あきレンゲだった。

最後まで穏やかさの中に見える不自然な旨味とせめぎ合いながら麺と具材は完食できたが、スープだけは残してしまいレンゲを置いた。

後続の客人の中にはつけ麺をオーダーしている方も多くいたが、私が食べ終える頃でもまだ配膳されていなかった。さすがに14分の茹で時間となると回転率は必然的に悪くなりそうだと思った。一番客の私が席を立つ時には外待ちが発生していたが、これから夏場に向けてつけ麺需要が更に増えてくると回転率の悪さが店の存続に影響しないかと思ってしまった。

このあと連食計画を立てていた立川の新店を訪ねると、まさかの夜営業のみとの案内があり前泊してまでの中央線遠征は失敗のまま幕を下ろす事になってしまった一杯でした。

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