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「定番ネギラーメン ¥880+味付け玉子 ¥120」@和歌山ラーメン まる岡の写真平日 晴天 12:05 先客1名 後客6名

さえないフラれ男の小言をお伝えします。

昨日失敗した連食計画のリベンジの為だけに、昨晩は荻窪の常宿に前乗りして今朝を迎えた。

それは昨日訪れた入間市の新店で一食目を終えてから、乗り込んできた練馬の新店で臨休や早じまいではなく、マイスタンダードであるラーメン系だけが品切れというアクシデントに見舞われて断念せざるを得ない事情があった。つけそば類はあったのだが独自の〝ラ道〟を貫くために昨日は撤退して本日のオープンを待ち構えていたのだ。練馬と荻窪はアクセスが悪いと思われるかもしれないが、実は直通の路線バスが運行しているので移動は簡単だった。

そこで今朝は早朝から大浴場で、お祓いをするような気持ちで身を清めてから関東バス 荻07系統にて練馬駅までやって来たのだが、リベンジの為にオープン前に訪れた店先のメニューのラーメン系のには既に品切れの文字が書かれていた。という事は、最初からラーメンの提供は無かったのだったと初めて知った。二日連続で店ではなくメニューにフラれて、うなだれながらヤケクソでRDBの新店情報を見てみた。するとつい先日までは挙がってなかった亀有での新店が望みをつなげてくれて、微かな希望を胸に練馬からの大移動を開始した。

池袋と西日暮里を経由して、たどり着いた亀有駅の北口方面に降り立ったのは人生で初めてだった。そこから歩いてすぐとなっている店へと向かう為に一番街という通りを進むと、突然の大行列が目の前に現れた。その行列こそがスパコンのオススメ店として根強く君臨している、つけ麺専門店だったのだ。しかし本日はリカバリー目的の新店めぐりなので、脇目も振らずに先を急いだ。すると通りの先の交差点に真っ赤なテント看板の店先を見つけたが、またもやまさかの貼り紙が死刑宣告のように貼られていた。

「店内補修の為 本日お休みします」

これを読んだ時に、リベンジ失敗のリカバリーの道すらも絶たれてしまったのだ。わずかオープン5日目の設備トラブルは店側にしても大きな痛手とは分かっていても、私の心の痛手も計り知れない程に大きかった。

その瞬間、全てが上手くいかず自暴自棄になりそうな私の目に飛び込んできたのが、少し先で揺れている赤い幟旗だった。きっと悔しさで涙ぐんでいたので、ボンヤリと霞んで文字が読み取れなかったが、目を凝らして見直してみると〝和歌山ラーメン〟と書かれていたのだ。和歌山遠征時に食べた超有名老舗店の和歌山ラーメンの印象は決して良いものでは無かったが、気が付くと引き寄せられるように店先に立っていた。そこで初めて店名を見ると、約半年前に行った〝ニューオープン狙いうち〟の際に候補店に挙がっていた当時の新店だったのだ。その時は和歌山ラーメンという事だけで初訪問を避けてしまったが、今回は不思議な運命めいた何かを感じてしまった。

藁にもすがる思いで店頭の写真付きメニューを食い入るように見るが、私の偏った嗜好を満たしてくれそうなラーメンではなかった。しかし次の店を探して出向くような気力もなく、和歌山ラーメンへの苦手意識が覆されるかもしれないと思い真っ白な暖簾をくぐってみた。

店内に入ると入口左手に設置された券売機の中から、今回ばかりはセオリーに従って左最上段のボタンを押した。それがビジュアル重視のラーメンと分かっていても、フラれっぱなしのチャレンジャーとしては止むを得ない選択だった。せめてもの抵抗で大好物の味付け玉子だけは追加発券して、スタッフさんの誘導にてカウンターに腰を下ろした。食券を手渡す際にライス無料サービスを案内されたが、ラーメンに集中する為に今回も辞退した。ここで持論の〝ライス無料サービス店のラーメンの味は濃い〟が脳裏をよぎったが、全ての悪いイメージをかき消して店内観察を開始した。

最初に感じたのはオープンしてまだ半年足らずではあるが、厨房内がピカピカに磨き上げられている点だ。これには女性スタッフさんの存在が大きく関わっていると思った。昼ピークのランチタイムの来店だったが先客は一人しかおらず若干さびしく思われたが、明るい女性スタッフさんは接客をしながらも常に掃除の手を動かしている。夏場を越えてそろそろ不要になる扇風機を、カバーやファンまでも分解して隅々までキレイに掃除をしていた。客席は長いカウンターに導線を確保する為に、真ん中あたりで二分割にされた造りとなっている。壁や卓上には各々の食材の産地やウンチクが細かく書かれていて、店主さんのこだわりが表現されている。葛飾区という土地柄だろうか、元高見盛関こと振分親方や東関部屋の若手力士のサインが壁に書かれていたりと、見所が多い店内を本日は三人体制で回している。私の来店後は少しずつ来客もあり賑わいを見せてきた所で、着席してから5分で我が杯が到着した。

その姿は朱赤の刷毛目の描かれた厚手の高台丼の中で、メニュー写真を見て知ってはいたが圧倒的な緑色の景色を見せている。ここで数十年前の学生時代に教わった、日本古来の色の表現に関する記述を思い出した。

現代では緑色として認識されているのに〝青〟という色で表現されている物が多いという事だ。それは今回キッカケになった〝青ネギ〟に始まり〝青ノリ〟〝青リンゴ〟〝青ムシ〟のどれも青ではなく緑色だという事だ。そんな遥か遠い記憶を思い出すと、別皿で提供された追加の味玉を記念撮影用にインサートした。まるで、バングラデシュの国旗のようになったラーメンを眺めながらレンゲを手にした。

まずはスープをひとくち、と思っても青ネギで覆われた液面からはスープの様子が見られないので、レンゲの底を青ネギの上から押し込んだ。そこには粘度の少しある紅檜皮色のスープが現れて、ゆったり優雅にレンゲの中を満たしていった。やや醤油色素は強めに見えるが、和歌山の有名店よりは穏やかそうに映った。店内には豚骨醤油独特の香りがしないのと同様に、レンゲを介しても動物系の匂いは強く攻めてこない。そんなスープを口に含んでみると、唇にコラーゲンを感じる滑らかな口当たりだ。豚骨を潰して長時間炊いたスープなのに、粉骨されたザラつきのない絹のような舌触りだ。そんなシルキーさの中には、ハッキリとしたカエシの塩気が舌を刺激してくる。やはり持論の〝ライス無料サービス店のラーメンの味は濃い〟は論外ではなかった。スープ単体で飲むのは諦めてレンゲを箸に持ち替えた。

麺上げまでジャスト180秒の中細ストレート麺を持ち上げると、半乳化したスープをまとって潤い豊かに現れた。箸先には適度な荷重がかかってくるので、平均的な加水率に思われる。そんな麺を一気にすすり上げると、スープのコラーゲンの粘りにも負けないくらいスムーズに滑り込んできた。唇には切刃のエッジを感じさせない、とても丸みのある特徴的な口当たりだ。麺肌には薄っすらとグルテンが溶け出した半透明状の層が見られ、その部分の粘質がスープを吸い上げてくる。スープだけでは強く感じた塩分も、麺と絡めば程よい調味料的な役割を果たしている。味の乗った麺を噛みつぶすと小麦の甘みと香りが、ほのかに顔を出してくる。そこにはモッチリとしたグルテンの弾力が、心地良い歯応えとなって跳ね返ってくる。滑らかな口当たりと適度な食感、さらには喉越しも良いときている。自家製麺ではないようだが、オリジナル配合ならではの個性を持った麺には、正直美味いと思ってしまった。この麺質ならば後半までダレる事は無さそうなので、緑のジャングルを探検してみる。

鬱蒼とした青ネギを箸でかき分けると、一片の小ぶりなチャーシューが現れた。それは豚バラで仕込まれていて、霧島山麓豚を使った煮豚となっている。今回は赤身が多い部位が切り分けられていたので、肉々しい食べ応えを楽しめた。煮汁の旨みを取り込みながら、豚肉本来の味わいも残している素晴らしい仕上がりだ。しかし、あまりにも小さすぎたので追加すれば良かったと悔やんだ。

逆に追加しなければ良かったと思ったのが味付け玉子で、白身の上っ面だけが漬けダレに染まった急速仕上げの味玉だった。口にするまでは照り返すようなテラコッタカラーが熟成感を醸し出していたが、見掛け倒しの色付き玉子でしかなかった。噛んだ瞬間に冷たさを感じると、割れた中身は半熟ゆで卵そのものだった。人は見かけによらぬものと言うが、味玉にも同じ事が言えるようだ。

たっぷりの青ネギに隠れて、申し訳なさそうな分量の茹でモヤシも入っていた。しかし味を確認する前に、胃袋の中へと消えていたほどの少なさだった。

最後になったが最大の特徴である薬味の青ネギは、初見の時点で切り置き時間の長さを感じてしまった。大きめの小口切りにされた青ネギの切り口は、乾燥してしまい潤いを全く見せない。最初に少し口にしたがパサついていたので、すぐにスープに浸して加湿する事にした。しばらく経つとスープを吸って舌触りの悪さは改善されたが、九条ねぎ系らしい香りや甘みは飛んでしまっていた。本来は食感を楽しむ為に大きめに切られてあるのだろうが、ゴワつきすら感じるので裏目に出てしまったようだ。

中盤からも麺の力に牽引されて食べ切る事ができたが、塩気の強い大量のスープと青ネギを残して箸とレンゲを置いてしまった。

最後の拠り所として助けを求めに訪れた店だったが、偏屈者の嗜好のせいで起死回生のリカバリーショットとはいかなかった。それでも私の中の和歌山ラーメンのイメージ向上には、かなり貢献してくれたと思う一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

あれっ!冒頭がいつものように”サ道”でもなく、
さえない男の小言で始めるのも新テクニック?
でもこういうのもあるあるなことですよ。大丈夫あきらめない気持ちが大切!
千葉遠征で3件回ってRDB情報がいい加減で店じまいされて食えない時があったのは秘密です。
...ほんとだね心の色というか、青二才、青信号、青森? 国旗は笑いました!

昭和のBecky! | 2019年9月21日 20:37

千葉の果てで閉店とは...心中お察しします。お互いガソリン代や交通費をドブ川に捨ててるようなもんですねw

のらのら | 2019年9月22日 09:21