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「らーめん (醤油) ¥700 +あじ付き玉子 ¥100」@環2の麺処 あさ川の写真平日 曇天 先客2名 後客1名

〝ニューオープン 探検記〟

新店めぐりをしていて思う事がある。なぜに誤情報があふれているのだろうかと。先日に訪れた二軒はどちらも内装工事の途中で、オープンしていなかった。

また本日もRDBで新たに見つけた新店に挑もうとしているが、現時点では定休日も営業時間すらも掲載されてない新店だ。本日もフラれる覚悟で、新橋のサウナを午前10時前に出発した。

京急線直通の浅草線快速特別に乗り込んで、最近ラーメンめぐりで頻繁に降りている上大岡駅に着いた。「煮干しらーめん 紫乱」「川の先の上」と立て続けの新店ラッシュに湧く上大岡駅からは神奈中バスに乗り、一路こちらを目指す。バスターミナルを出発すると15分ほどで最寄りの永作バス停に着いたが、ひとつ前のバス停の名前に驚いた。「下車ヶ谷」と書いて「かしゃけど」と読むらしい。小学二年生でも習う漢字の組み合わせなのに、全くもって読めなかった。

新橋のサウナを出発してからトータル1時間ほどでやって来たが、店の開店時間すらも分からずで不安が募る。ナビを片手にバス停から歩いて向かうが、環2沿いで大型店舗はチラホラあるだけでラーメン屋らしき店が見えない。それでも信じて大通りの急坂を下っていくと、突然にド派手な黄色い看板が目に入った。そこには大きく店名が書かれ、店先には開店祝いの花が届いている。ガラスの扉越しにはスタッフさんの影も見えるので、本日開店は間違いなさそうだ。

少しホッとして店先へと歩み寄ると、店頭には11時半オープンと書かれてあった。11時開店と予測して来たので30分以上も早かったようだ。それまでの時間を途中にあったコンビニで水分補給をしたり、何もない環2沿いを歩いてみたりと時間をつぶした。

定刻ちょうどに店先に戻ると店頭には営業中の幟旗が置かれ、店内には先客が入店していた。私も続いて深緑色の暖簾をくぐり店内に入ると、好きなカウンターへと案内された。券売機はなく卓上メニューを見て、初めてラインナップを確認する。苦手なガッツリ系への不安もあったがメニューを見る限りでは、そうではないようだ。メニューはシンプルに醤油ラーメンだけで、トッピングとサイドメニューが少しあるだけだ。この絞り込んだメニューに安心して味玉追加で注文した。お会計はデポジット方式なので、先に支払ってから店内観察を始める。

レゲエ風の黄色い壁が明るい印象を受ける店内にはL字カウンターと、奥には 100円で食べ放題のごはんコーナーが設けてある。店主さんのワンオペなので人手のかからないセルフスタイルをとっているが、お一人で仕切るには導線が大変そうである。年季の入った店構えは居抜き店舗に思えるが、右奥のカウンターを拭く為には大きく遠回りをしなければいけない造りとなっている。そんな余計な心配をしながら前の通りを走るトラックの音をBGMにして待っていると、着席して8分で我が杯が到着した。

その姿は黒釉薬の高台丼の中で、醤油系ながらもギラギラした色気を見せつける表情をしている。サッパリしてながらも野生味にあふれた魂を持っているように映るが、それはまるで福山雅治のようである。爽やかな笑顔の中にも男の本能を隠すことなく表現する様は、まさにそのものだ。液面を覆い隠した鶏油がそう思わせるのだろうが、かなりの油量に戸惑いながらレンゲを手にした。

まずは光沢の下の栗皮茶色のスープをひとくち。表層の油膜は避けられそうにないので迷わずにレンゲを沈めてみると、レンゲの中には多くの鶏油を含んだスープが注がれてきた。そこに強く息を吹きかけて出来るだけ油分を飛ばしてから口に含んでみると、香ばしい焦がしネギの風味が広かった。それでも油っぽさを強く感じるので口の中には、まったりとした油膜が張りめぐった。そんなオイリーなスープには、鶏ガラ主体の動物系出汁と魚介出汁のバランスがとれたオーソドックスな組み合わせとなっている。そこに焦がしネギの香りが加わる事で、昔懐かしい雰囲気のあるスープに仕立てられている。カエシも強めに利かせてありそうだが、油分の甘みが先行するので感じづらくなっている。

タイマーを使ってないように見えたが、およそ90秒ほどで麺上げされたのはストレート細麺だった。36センチ程度に切り出しされた長めの麺は、箸で持ち上げても液面から離れようとはしない。箸先からは個性的な要素を感じない優等生タイプの麺質に見える。そんな麺を一気にすすり上げると、滑らかな麺肌に加えて香味油が後押しするように滑り込んでくる。麺の長さから大胆に音を立ててすする食べ方になるのだが、先客陣も同じようにすすっていた。無音の店内にはオジサン三人が麺をすする音が輪唱のように鳴り響いている。東京五輪を前にヌーハラなどと言われる昨今だが、これを機に麺をすすった時に唇が震える心地良さを全世界に発信したいものである。そんな勢いよく飛び込んできた麺を噛みつぶすと、平均的な歯応えと喉越しを残して胃袋へと落ちていった。この特筆すべき点がない事が、店主さんの麺選びの基準なのかもしれない。

具材のチャーシューには、部位も調理法も異なる二種類が盛り付けてある。それを見ただけで、手間隙を惜しまない作り手の思いが伝わってきた。先に淡白そうな鶏ムネ肉の方から食べてみると、低温調理のしっとり仕上げとなっている。かなり肉厚にカットされているので食べ応えもあり、炭火で炙られたような香ばしさがあるので焼鳥を食べているかのようだ。一方の豚肩ロースは煮豚で仕込まれていて、こちらも肉厚で炙られた香りが食欲をそそる。鶏ムネ肉に比べると、若干パサついた印象も受けるが不快なほどではない。柔らかく煮込まれた赤身に焦げた部分の食感が変化をもたらしている。

メンマは長さのある極太メンマで仕込まれている。縦の繊維は柔らかく口当たりは良いが、横には歯が立たないくらいに硬い。なので欲張って口の中に放り込むと、噛み切るのに一苦労するので注意が必要だ。味付け自体は素晴らしく、派手な主張をする事なく添え物に徹している。

追加した味玉は、今まで食べた事のない不思議な味わいだった。それは微かに感じるカレーのような風味で、ゆで卵とカレーの相性は悪くないがラーメンの中に入ると違和感があった。エサのパプリカ色素と思われるオレンジ色の黄身が特徴的な卵を使われており、下茹での半熟具合は申し分ない。しかし漬けダレの浸透はなく、熟成感にも乏しい味玉だ。また冷蔵保存の冷たさが残っていて、熱々のスープの中では違和感があった。

黒い器と同化するように海苔も添えてあったが、黒々しさのない緑色の海苔からは良質さは伝わってこない。実際にも香りも食感も良くはないが、新店だけに鮮度の良さは感じられた。

薬味の白ネギは笹切りで添えてあり適度な辛味と歯触りがアクセントになったが、青みのカイワレからは〝薬味愛〟を感じない。このタイプの昔ながらの組み合わせならば、やはり青みは茹でた青菜を望んでしまった。

序盤で感じた油っぽさも、麺に引き寄せられてスープには残っていないかと思ったが、麺を食べ終えた後のスープの液面には大量に残っていた。結果としてスープは飲み干せずにレンゲを置いてしまった。出汁がしっかりしていたので、香味油のコクに頼らなくても足りるような気がして残念だった。私には三分の一の香味油でも十分だったかもしれない。

先客の話によると以前にもラーメン店があった場所らしく、半年ほどで閉店してしまったようだ。今回は地元客の胃袋をつかんで、長く根付いて欲しいと思って一杯でした。

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