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「味玉中華そば(醤油) ¥850」@中華そばや 和凡の写真平日 曇天 11:30 先客3名 後客7名

〝ニューオープン狙いうち〟season2

本日の新店は清瀬で産声をあげたコチラ。RDBの新店情報によると今月の初旬にはオープンしていたようだが昨日まで知らなかった。知らなかったと言うよりは、北品川に移転したラーメン店と屋号が似ているので勘違いして見逃していたのかもしれないと思いながら初訪問を決めた。

11時半開店前の現着を目指すために午前10時前には自宅を出た。以前なら遠くに感じていた清瀬駅だが、副都心線の開通によりアクセスが良くなった。しかも運良く西武線直通の通勤急行 清瀬行きに乗車できたので、わずか45分で終点の清瀬駅に着いた。

そこからは味わいのある「南口ふれあいど〜り」を真っ直ぐに進んでいくと、看板は見えないが煮干しの香りが突然として漂ってきた。それは商店街の角に佇む半シャッター状態の店からだった。近寄ってシャッターの貼り紙を見ると、小さな文字で屋号と営業時間が書かれてあった。そこが店だと確信すると開店40分前では並びもないので、商店街を散策してみる。商店街から一本裏道に入ると、そこはスナックやパブが軒を並べる清瀬の夜の顔を想像させてくれる。そんな通りの中に昭和の香りのする喫茶店を見つけた。曇り空だったが蒸し暑かったので、ちょっと寄り道のつもりで水出しコーヒーを飲んでみた。すると古めかしくはあるが掃除の行き届いた店内の居心地が良い。おまけに美人ママがいるとなれば、ついつい長居をしてしまった。気が付けば開店時間となっていたので慌てて店へと戻った。

ちょうどオープンのタイミングで四番手に滑り込んだ。ご主人が藍染めの暖簾を掛けると入店開始となった。現在のところはメニューは絞り込んであり、塩か醤油の二択で追加トッピングを選ぶだけのようだ。先客陣は塩を注文していたが、マイスタンダードの味玉入りの醤油を発券した。

順不同でカウンターに座り店内観察をはじめる。暖簾の藍染めと同じ染め物のTシャツと頭に巻いた手ぬぐい姿のご主人さんと、パートの女性スタッフが二人で切り盛りする店内には新店らしい初々しさがある。ご主人の城である厨房内に目をやると、かなりの狭さなので調理作業が大変そうだ。スープ炊き用のガス台や茹で麺機にスペースを取っているので、盛り場が極端に狭くなっている。そんな調理場を駆使して作業する姿を見ていると、着席して15分の第2ロットにて我が杯が到着した。

その姿は口縁の厚い白磁の高台丼の中で、飾り気のない素朴な表情を見せている。決して美しい盛り付けとは言えないが丁寧な気持ちは伝わってくる。奇をてらった所のない姿にホッとしながらレンゲを手にした。

まずは柴染色のスープをひとくち。煮干しの銀皮がキラキラと輝く液面にレンゲを落とし込んでみると、香り立った煮干しの濃さとは真逆の手応えだった。それは濃度の淡い清湯スープのような清涼感だが、煮干しの香りは強く感じる。そんな煮干し香に洗脳された所でスープを口に含んでみると、強い香りのイメージを覆すような軽やかな旨みが広がった。香りよりも煮干しの持つ苦味やエグ味を感じさせない煮干し出汁の旨みが主体となっている。スープの主役は明らかに煮干しだが、旨みに深みがあるのは鶏ガラ出汁も重ねてあるのだろうか。液体としては淡麗だが旨みは濃厚なスープはニボ耐性の弱い私にも受け入れられる文化部系の優等生タイプな煮干しスープだ。合わせるカエシも極少量なのか色合い的にも味わい的にも穏やかだ。それでいて塩気がボヤけないようにアジャストしてあるのは、塩分過多なラーメンが多いの中でありがたい存在だ。

狭い盛り場でのワンロット4杯の強行作業だったので、盛り付け時間が多少かかり過ぎていた点が心配な麺に取り掛かる。タイマーは70秒にセットされていたが実際には80秒ほどで麺上げされた中細ストレート麺を箸で持ち上げてみると、しっかりとしたハリが残って感じる。懸念された麺ディションも心配なさそうなので一気にすすり込むと、唇でも感じるほどのコシの強さを持っている。しかし煮干し系にありがちなボソボソとした麺ではなく、長めに茹でる事でモッチリとしたグルテンも詰まっているように感じた。噛めば麺自体の旨みが甘みや香りとなってスープに重なると、得も言われぬ一体感が口の中であふれ出す。その上に喉越しも良いとなれば一瞬で、計算し尽くされたスープと麺の相性の虜になってしまった。

具材の二種類のチャーシューは同じ煮豚型だが、部位の違いで個性を付けている。先に白い筋肉質の豚モモ肉の方から食べたみる。見た目は白っぽいが赤身の旨みと肉々しい食感を兼ね備えている。調理工程を見ていても、切り置きなどは一切せずに盛り付け直前にチャーシューの繊維質の目を見極めながら丁寧に手切りされていたのが印象的だ。一方の豚肩ロースも直前に手切りされているのでチャーシューの旨みが飛んでいない。切り立てならではの潤った切り口からは肉汁が滲み出ているので、しっとりとした舌触りが楽しめる。肉本来の旨みも残しつつ適度に味付けも利いている安定感のあるチャーシューだった。

これに比べて追加した味玉は私には残念な仕上がりだった。見た目には薄っすらと漬けダレの色素が移っているが、それは白身の表面だけで味の浸透は全くなかった。この味玉が本来の仕上がりならば仕方ないが、本日が定休日明けだったので、もしかしたら漬け込む時間が足りなかったのではとさえ思ってしまった。一時間程しか漬けられてないように見えるので、味玉と言うよりは色付きゆで卵のようだ。味わいも深みもない味玉なので追加した事を悔やんでしまった。

穂先メンマには下処理の良さが出ていて、香りや歯応えが素晴らしい。メンマを噛んで口の中が独特の発酵臭で満たされた所に麺を追いかけると、新たな世界観がラーメンに加わり違う景色を見せてくれる。

薬味も丁寧に小口切りされた白ネギで、シャキッとした歯触りからは切り立てならではの鮮度の良さが伝わってくる。刺激の弱い軽やかな甘みを発する白ネギには質の高さも感じられる。また青みの小松菜の仕事ぶりも見逃せない。彩りとしての存在は勿論だが、よくある水菜よりも下茹での手間がかかる青菜を使われている事に頭が下がる。葉先と茎をバランスよく盛り付けてある気づかいも感じ、小松菜の持つ軽やかな苦味もアクセントとなってラーメンを引き立てている。全てに手仕事を感じられる素晴らしい薬味たちには感動した。

終盤でも麺はダレる事なくコシを残していて、食べ飽きることなく終わりを迎えた。気が付けば両手で丼を傾けてスープも一滴残さず飲み干していた。

全体的に一つにまとまっている組み立てだったので好みと違った味玉だけが残念で仕方ない。もし味玉を追加せずに基本の中華そばをオーダーしていたら85点以上は付けていただろう。それくらいにご主人の思いが詰まったラーメンだと思った。

券売機の下の方には土曜日限定の「純ニボシラーメン」がある事を知ったので、本日の味玉が本来の仕上がりだったのかを含めて近々の再訪を心に誓った一杯でした。

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